ArtSpace萌芽は、東日本大震災のあった2011年、
東北の海岸地帯を襲った大津波の映像が、
正に背中を押したところから始まりました。
それより前からズーッと温めていた
「いつでも気軽に生演奏を発信、受信出来る、小さな音楽ホールがあればいいな~」
という想いが、少しずつ現実の夢となっていた中で起こった3.11の大地震と、
それに続いて起こった福島原発のメルトダウン。
自然の猛威がもたらす有り様に只々驚き、被災者の方々が
置かれた理不尽さを思うと 人ごとではなく居ても立ってもいられない
そんな心境の毎日だった事だけは覚えていますが、
『ゆっくり身構えているより、今出来る事は直ぐやろう』と、
多分そんな思いが生じて突っ走ったのだと思います。
その時アルカディアの1階に空いていた10坪のスケルトンでは、
とても音楽サロンは無理なので、取り敢えず絵を展示するギャラリーなら!
という事で、後は深く考える事なく、動き出し、4ヶ月後の7月
やっと、ギャラリーと思しき今の『アートスペース萌芽』が出来ました。
それまで思い描いていた、音楽が出来る空間ではないので、
初めの意識は、あくまでも『プレ萌芽』でしたが、
1人黙々と、床を貼り、壁、天井を塗り、水回りのリフォーム諸々、
正に、自分の作品を作っている様な、思えば無類に楽しく、
必死で、懐かしく、眩しい4ヶ月でした。
この辺りの顛末は、同時期に記録のつもりで始めたBlog に
書かれていますので、詳細はここでは省きたく思います。
そうして、2011年7月2日にギャラリーとしてオープンした
アートスペース萌芽の階上に、ようやく念願の音楽サロン
『ArtSpace 萌芽Hall 』が出来たのは、4年後となる2015年9月。
この時も、大震災程の大事件ではありませんが、自分自身にとっては
それ以上の、生き死に関わる一大事が突然、我が身に起こり、
又しても「やりたい事は 今直ぐやらなければ!」を思い出し
約2ヶ月後に開催を決め、既に打合せも始めていた
2015ボローニャ国際絵本原画展入選作家『乾真徳展 CANTABLE 』
のオープニングコンサートを萌芽Hallの杮落としとする事を目標に定め
2ヶ月というタイトな時間内にピアノの選定、キャパ50の椅子の調達、
必要最低限とは言え、内装工事のプランと施工等を進める事が出来たのは、
今もって不思議!自分とは別の力が助けてくれたお陰と感じています。
念願のArtSpace萌芽Hallでのはじめてのコンサートは、満席を大きく超える
ご入場を頂き、杮落としの感動は、大切な思い出の一つとなりました。
そして、昨年、時間をかけ、注意深くリニューアルを進め、
今年から萌芽活動の最後のもう一つとして土足厳禁のスタジオを
オープンすることになりました
萌芽Studioはギャラリーやホールでは出来ない、例えば、
ダンスの様なライブパフォーマンスの練習、気軽に公演も出来る
スペースとして、又、乳幼児と親御さんが楽しめるコンサートや、
各種イベント会場として
その他、土足厳禁を希望されるニーズに応えられる場として、
「あって良かったこんなスタジオ!」を目指して、幅広いご利用を
企画、公募、貸しで募りたいと思っています。
萌芽の3室は、一斉に計画的に考えて出来た空間ではないので
設備的にもナイナイ尽くしの箇所が多いのですが、それぞれ一室ずつ、
ニーズの違う2室・3室を上手に使っての面白いご利用も可能です。
ご興味のある方は是非お問合せの上、ご相談下さい。